風邪の症状
風邪(かぜ)とは
風邪の症状~発熱はなぜ起きるのでしょうか?
風邪(かぜ)は、ウイルスや細菌などの病原体がのどの粘膜細胞に取りついて炎症を引き起こす呼吸器系の感染症です。ときに炎症が喉頭よりも奥の、下気道(気管、気管支、肺)におよぶこともあります。
俗にいう風邪(かぜ)のことを、正式には「かぜ症候群」といいます。
かぜ症候群の大部分はウイルスの感染でおこります。このうちインフルエンザウイルスが感染して発症したものをインフルエンザ、それ以外のウイルスの感染で発症したものを普通感冒と呼び分けています。
風邪を引くと、咳や鼻汁、のどの痛み、発熱などの症状が出ます。とりわけインフルエンザの場合は症状が重く、38℃以上の発熱と頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が突然現れ、併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。
なぜ、風邪を引くと熱が出るのでしょうか。そこには身体を守ろうとする白血球と、侵入してきたウイルスとの激しいバトルがあります。
(画像:wakulog)
高熱は病原体と戦っている証し
免疫を高める人体の知恵
風邪をひくと熱が出るのは、からだの免疫を高めるためです。免疫を高めてウイルスへの攻撃を有利に展開するためです。
免疫の中心となるのは白血球ですが、この白血球は高温になると活性化します。
血液中の白血球は細胞内に侵入してきたウイルスを見つけるとこれを食べて退治するのですが、そのときウイルスの情報が脳の体温調節中枢に伝達され、放出する熱の量が調整されて体温を上昇させます。発熱によって白血球の活動を支援しているのです。
また幸いなことに、ウイルスは逆に熱に弱く、40度以上になると死滅するといわれています。そのため風邪を引くと、わたしたちのからだは一生懸命体温を高めて、ウイルスをやっつけるのです。じつに良くできた生体防護システムです。
だから熱が出ている間は解熱剤などを安易に使用してはいけません。無理に熱を下げると、頑張ってウイルスと戦っている免疫機能を邪魔してしまいます。
発熱のシステム
からだが発熱する仕組みは、まず、①皮膚の毛細血管を縮め、②汗腺を閉じて汗を出なくします。熱の発散を防いで体温を上昇させるのです。
それでも発熱量が足りない場合は、③筋肉をぶるぶるふるわせて熱を作り出します。風邪を引くと悪寒がして、ぶるぶる身体が震えるのは、筋肉を総動員して熱を作り出しているのです。
できるだけ身体を温かく保って、体温上昇を助けてやることが肝要です。
風邪が治りかけるときには大量の汗をかきますが、汗をかくのはウイルスをやっつけた証拠です。ウイルスをやっつけてしまうと身体は体温調節中枢からの指令で元の状態の戻されますが、このとき閉じた汗腺を開いて体温を下げようとしているのです。
汗をかくのは、風邪が治っているサインだと思ってください。早々に元気回復します。
風邪をひくと身体がだるい?
だるいのも戦いのシグナル
風邪をひくと身体がだるくなりますが、これは白血球がウイルス攻撃に集中するために、ほかの機能を低下させているためです。
だから、身体がだるいときにはへたに動いてはいけません。
だるいのも戦いに向けた身体のサイン(シグナル)です。充分に休息をとって、ウイルスとの戦いに備えなければなりません。
昔から実践されている「風邪をひいたら温かくして安静を保つ」というのは、じつに的を得た、合理的な風邪の対症療法なのです。
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