肩こり/肩や首の痛み(概説)
僧帽筋の緊張が主要な原因
肩こりや肩の痛みは、肩だけでなく、首や背中とも大きく関わっています。
肩こりとは、肩の筋肉がこわばって、だるい、重苦しい感じがする症状です。
私たちが、普段よく経験する肩こりは、不自然な姿勢を続けていたり、首や肩の冷え、精神的なストレスなどが原因となって発生すると考えられています。
このような条件が加わると、肩の筋肉(僧帽筋)が緊張して血液の流れが悪くなり、乳酸などの疲労物質がたまったり、ビタミンの補給が悪くなって不足したりします。その結果、筋肉がこわばり、肩こりを感じるようになるのです。
ただ、肩こりや肩の痛みの背景には、いろいろな病気が隠されている場合があります。肩や首の痛みがいつまで経っても治らなかったり、痛みが強くなる場合には注意が必要です。
(画像:リファアクティブ 肩こり解消)
なぜ肩がこったり肩が痛くなるのか
肩こりや肩の痛みに関係するのは、首と肩です。
もともと首や肩の周辺は筋肉や関節、腱、血管、神経が集中しており、動かさないでいると血行が悪くなりがちです。パソコン作業や運転を長く続けていると、どうしても肩や首が固まったようになり、肩こりが出やすくなります。重い荷物をもったり、下着や洋服が窮屈な場合にも首や肩の動きを妨げ、筋肉への負担を増してしまいます。
猫背の人や、首が長い人、なで肩といった体形の人はもともと肩こりになりやすい傾向があります。
肩こりや肩の痛みの原因はさまざまですが、これらを整理すると次のようになります。
筋肉の過度な緊張
僧帽筋の緊張が肩こりの原因となることも多い。
僧帽筋(そうぼうきん)は、首から肩・背中にかけて分布する三角形の大きな筋肉です。
首や肩・背中を動かす主要な筋肉ですが、それだけに筋肉疲労の蓄積も大きく、肩こりや肩の痛みが生じやすい筋肉です。
僧帽筋がこわばると、肩だけでなく、首から肩甲骨や背中の中央部にかけての広い範囲にコリを感じます。場合によっては強い痛みがともなうこともあります。
(画像:wikipedia)
骨や関節の異常
首や肩は、頭と腕の重さを支えると同時に、頭と腕がスムーズに動くような仕組みになっています。
なかでも首は、いわば神経系の大動脈です。頚椎(けいつい)の中には脊髄(せきずい)が通り、その脊髄から枝分かれした神経根や末梢神経が腕や胸部に向かって伸びています。
そのため首の骨(頸椎)がずれたり、椎間板が損傷した場合にも肩の痛みや肩こりが生じます。また、俗に四十肩とも五十肩ともいわれる肩関節周囲炎や、鎖骨の下の胸郭出口(きょうかくでぐち)がつぶれて神経や血管を圧迫した場合も肩の痛みが出ます。
内臓や目の疾患
肩こりや首・肩の痛みは内科や眼科などの病気でも起こります。
例えばメガネやコンタクトレンズの度があっていなかったり、眼精疲労があると肩こりが出ます。また、脊髄の炎症やがんなどでも首や肩に痛みが出ますし、高血圧や糖尿病、狭心症、慢性胃炎、胃潰瘍などでも肩に痛みを感じることがあります。
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