妊娠と避妊は表裏一体。妊娠を望む方も、避妊したい方も、まずは排卵日を正確に把握することが大事です。

 

妊娠 避妊 排卵検査

  

妊娠と避妊

妊娠と避妊(概説)

妊娠と避妊は表裏一体。排卵日の正確な把握が大事

妊娠と避妊は表裏一体。妊娠を望む方も避妊したい方も、まずは排卵日を正確に把握することが大事です。
妊娠と避妊は表裏一体。排卵日の正確な把握が大事。

妊娠には二つの側面があります。

ひとつは、赤ちゃんが欲しくて待ち焦がれる妊娠。
もうひとつは、これとはまったく逆に、妊娠してはどうしても困るという場合です。

夫婦によっても、恋人同士においても、事情はさまざまです。
妊娠の仕組みから避妊まで、もう一度見直してみましょう。

(画像:IRORIO)

妊娠の仕組み=排卵・受精・着床

神様が授けてくれた幸運?

妊娠の仕組み。排卵・受精・着床
妊娠の仕組み。排卵・受精・着床

妊娠は男女の性行為によってもたらされます。

卵巣から排卵された卵子は卵管内に取り込まれます。
このとき、膣内に射精された精子が子宮腔を経て卵管内にまで進入し、卵子と遭遇すると受精が成立します。

この受精卵は分裂を繰り返しながら卵管内を下降し、子宮腔に達します。そうして無事、子宮内壁に着床すれば妊娠となります。

もちろん、全ての受精卵がうまく着床できるわけではありません。子宮内膜にもぐりこもうとしてうまく着床できずに、妊娠しないことも結構あります。

だから妊娠を待ち焦がれる人にとっては、受精卵が無事着床して妊娠が成立することは、まさに神様が授けてくれた幸運なのです。

(画像:大谷産婦人科)

排卵日と妊娠の検査

おしっこや唾液の成分変化の測定が主流に

排卵があったかどうかは基礎体温を毎朝測っていると分かります。
基礎体温とは、ヒトが生きていくために必要な最小限度の基礎代謝によって発生する熱(体温)」という意味です。静かに寝ているときの体温がこれに相当します。だから朝起きたときに測るのです。

排卵があれば基礎体温は高くなります。妊娠するとそのまま高温が続きます。

一般に卵子の受精能力は1日(=24時間)程度、精子のそれは2~3日程度といわれています。
そのため、排卵の2~3日前から排卵翌日にかけてが、性行為においてもっとも妊娠しやすい期間となります。

最近では基礎体温を毎日測定する代わりに、おしっこや唾液などの成分変化を測定して、排卵日を事前に予測する検査器具も市販されるようになりました。
排卵期は、妊娠に向けて女性のからだが大きく変化します。排卵を誘発する黄体形成ホルモンの変化を測定すれば、最も妊娠しやすい時期(排卵日)を1日前に予測することも可能です。

なお、妊娠すると女性の体の中では、妊娠ホルモン(HCG)や黄体ホルモンがたくさん出てきます。
これらのホルモンはおしっこの中にも含まれますので、尿検査でHCGなどのホルモンの有無を調べれば,妊娠しているかどうかが簡単に判定できます。

避妊法

信頼性の低い避妊法もあるので要注意です

性交時において妊娠を望まない場合に採用されるのが避妊法です。避妊法にはさまざまな種類がありますが、それぞれのライフプランや年齢、生活環境、パートナーの協力度などによって、より自分に適した避妊法を選ぶ必要があります。

避妊法の主なものには次のようなものがあります。

コンドーム
男性の性器にかぶせるゴム製の袋で、精子の腟内への放出を防ぐ方法。「性感染症が予防できる」「手軽に入手できる」などのメリットがある反面、装着ミスや破損、脱落などによる失敗例も見受けられます。避妊の失敗率は2~15%といわれ、装着法などによりばらつきがあります。

経口避妊薬(OC)
OC(低用量経口避妊薬または低用量ピル)は女性ホルモンを含んだ薬剤。正しく服用することで効果の高い避妊ができます。 女性主体で避妊できることや月経周期が規則的になるなどのメリットがあります。ただし、購入には医師による処方が必要で、毎日服用する必要があるなどの煩わしさが伴います。失敗率は0.3~8%。

子宮内避妊システム(IUS)
子宮の中に入れる小さな器具で、黄体ホルモンを放出するタイプ。一度の挿入で最長5年間、効果の高い避妊ができるといわれています。女性主体で避妊でき、薬を飲むなどの煩わしさがないことが大きなメリットで、避妊失敗率も0.1%程度とほかの避妊法に比べて格段に優良な成績です。

子宮内避妊具(IUD)
子宮の中に入れる小さな器具。避妊効果を高めるために銅がついているものもある。一度の挿入で2~5年間、避妊ができます。医師による装着、除去が必要ではあるが、日常の煩わしさがなく、失敗率も0.6~0.8%程度と低い。

基礎体温法
基礎体温を測定することにより、排卵期を知り、避妊の目安にする方法。副作用などが一切なく、安全安心で手軽な方法だが、毎朝きちんと体温を測定する必要があり何かと面倒です。また、発熱や過労、ストレスなどで基礎体温が変動することもあり、排卵期が見つけにくくなる場合があります。

避妊手術
女性の場合は卵管、男性の場合は精管を糸で結ぶか切断して、卵子や精子の通路を遮断する方法。ほぼ確実に避妊できるメリットがあるが、将来妊娠を望むことがあっても、一度手術をすると特に女性の場合は元に戻すことが難しい面があります。

殺精子剤(発泡剤、ゼリー、クリーム)
性交前に腟内に、精子を殺す薬剤を挿入する方法。使用法が簡単で副作用がないなどのメリットがあるが、薬剤を挿入してから効果が発揮されるまでに5分程度かかることと、効果持続時間(60分以内)があって、避妊が失敗することもある。失敗率は18~29%と高く、信頼性の面で劣っています。

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