なぜ右利きが多いのか?
人に右利きが多い理由
脳が創る利き手。右利きが圧倒的に多い
日本人の約9割は右利きです。日本人ばかりでなく世界の人々も、圧倒的多数が右利きです。なぜ人間は右利きが多いのでしょうか。
じつは利き手は脳によって決まるといわれています。
人間の脳は言語脳が左脳部分にあり、左脳の方がよく使われます。左脳は交叉神経で右半身につながっているので、右手の方が左手よりも筋肉がより発達し、使いやすい「利き手」となったのです。
人類は二足歩行を始め、道具を使い、言葉を操るように進化してきました。その進化の過程で脳が大きく発達し、それとともに右利きが増えたと考えられています。
右利きは、脳が創った機能だったのです。
(画像:Kid's Patio)
左利きは不利なのか?
右利きよりも早死にするという衝撃のデータも
人類の10%ほどしかいないマイノリティの左利き。この左利きに関して、衝撃の研究成果がカリフォルニア州立大学から発表されました。左利きは右利きよりも短命だというのです。
発表によると、右利きの平均寿命が75歳なのに対して、左利きは66歳だったという。この9歳の差は、人生にとってとても大きな差です。なぜ左利きが短命なのでしょうか?
理由はストレスにあるようです。確かに左利きは、日常生活のさまざまな面で不便なことが多い。例えば玄関ドアのノブも駅の自動改札機も、パソコンのキーボードも、多くのものが右利き用に作られています。
これら圧倒的多数の右利き優先の社会構造が、左利きの人々のストレスになり、長生きしづらい環境になっているようです。
脳卒中では左利きが有利?
左利きが損ばかりかというと、そうでもありません。不幸にも脳卒中で倒れた場合、左利きの方が右利きよりも復帰速度が速いのだそうです。
これは、右利きの脳が機能を特定部位に集中させているのに対して、左利きの脳は機能を各所に分散させているので、損傷した機能の修復が比較的容易なことによります。
実際、左利き脳には、言語能力(右利きでは左脳)や空間能力(右利きでは右脳)が左右両方に認められる例が多くあります。左利きの人は右利きの人よりも、左右両方の脳を使う頻度が高く、生活環境への適応力も優れていると言えましょう。
子供の左利きは矯正した方がいいか?
無理な矯正は禁物
左利きの子供を持つ両親にとって気になるのが、左利きは矯正したほうが良いのかという問題でしょう。
じつは、右利きになる理由は分かっているのですが、左利きになる理由は今でもよくわかっていません。利き手は脳が決めている以上、無理に矯正しようとすると、子供の精神形成に悪影響を及ぼすと考えられます。自然に任せるのが一番だというのが、多くの医師の共通した意見です。
私の母は左利きですが、まな板の上で大根などを切るときは、最初は庖丁を左手に持って切りますが、手が疲れると右手に持ち替えて器用に切っています。結局、左利きは「両手利き」でもあるんですね。不便は特に感じていないようです。
スポーツの世界でも左利きが有利な場合もありますので、ここは自然に任せて、無理に矯正しない方がいいのではないでしょうか。左利きも立派な個性です。
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