いびきは、睡眠中に、鼻から喉頭に至る空気の通り道(上気道)が狭くなったときにおこります。睡眠時無呼吸症候群など怖い病気が原因となるいびきもあります。

 

いびき

  

いびきの原因と対策

いびき(概説)

深刻な病気が原因のことも

いびき。周囲に迷惑をかけるいびきは早く治したいもの。睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となるいびきもあります。
うるさい「いびき」。深刻な病気が原因のことも・・

いびきの正体は、狭まった気道を通る空気の振動と共鳴です。ときには、ガード下の騒音に匹敵するほど大きな音を出す人もいます。

ガーガー、ゴーゴーうるさいので、同室で眠る人の安眠妨害になることは間違いありません。訴訟大国アメリカでは、いびきに「暴行罪」が適用されたケースもあるようです。

日本ではそこまではいきませんが、団体旅行などで大部屋で寝るときに、同室者から嫌がられて気まずい思いをしなければなりません。また、夫婦でも寝室を別にするなど、不和の原因になることもあります。

いびきは、いろいろな原因で起きます。なかには、睡眠時無呼吸症候群のように、重篤な病気が原因で起きることもあるので注意が必要です。

(画像:国立病院機構)

いびきの種類と原因

振動型と狭窄型

いびきは、睡眠中に生じる異常な呼吸音で、空気の通り道である「上気道」の一部が、正常な状態よりも狭くなったときにおこります。

いびきの種類を、原因の違いにより分類すると振動型と狭窄型に大別されます。

■振動型のいびき
振動型は、上あごの軟口蓋や口蓋垂(いわゆるのどちんこ)が振動するために生じる音で、比較的低い周波数です。規則正しいリズミカルないびきで、ほとんど呼吸障害はなく、からだに悪影響はありません。
深酒をしたり、疲れているときは、睡眠中に上気道周囲の筋肉がひどくゆるんで上気道を狭め、いびきをかきやすくなります。

■狭窄型のいびき
これに対して狭窄型は、扁桃肥大やアデノイド増殖症、舌根沈下などで狭くなった上気道をむりやり空気が通過するためにおこる音で、周波数が高く、非常に苦しそうな印象を受けます。
このようないびきをかく人は、ときとして呼吸が深くなったり浅くなったり(低換気)をくり返し、極端な場合は、数十秒間の呼吸停止が頻繁におこることがあります(睡眠時無呼吸症候群)。

睡眠時無呼吸症候群では、呼吸が再開するときに激しいいびきが発せられます。
睡眠時無呼吸症候群に特有のいびきは、通常の一定リズムではなく、しばらく無音のあと著しく大きく音を発するという特徴があります。

いびき対策

ダイエットするのも効果があります

軽症のいびきは、工夫すれば出にくくなります。低い枕を使い、横向きの姿勢で寝ると、舌などがのどに落ち込まないようになり、いびきが改善されます。
睡眠中に口を開く癖のある人は、(鼻づまりがひどくなければ)粘着テープを口に張りつけるなどして、できるだけ鼻呼吸を促すようにするのもよい方法です。

太っている人は減量が効果的です。太っていると、あごや首回り、のどの脂肪が増えて、気道が圧迫されて狭くなりいびきをかきやすくなります。適正体重まで減らすことは、いびき対策はもとより、高血圧や高脂血症など合併症予防の効果もあります。

中等度以上のいびき症で、鼻の病気、扁桃肥大、アデノイド増殖症などのはっきりとした原因のある人は、耳鼻咽喉科で治療を受けることが必要です。

このような原因がないにもかかわらず毎晩激しいいびきがおこるような人は、一度、いびきの専門医を受診することをお勧めします。中には睡眠時無呼吸症候群や高血圧症などの病気がいびきの原因になっている場合もあります。

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