反り腰とは(概説)
おなかが付き出て反り返っている状態
姿勢が悪い「反り腰」は、腰痛や坐骨神経痛の原因になります。
人間は四足動物から進化して、直立二足歩行をするようになりました。そのため背骨(脊柱)を横から見ると逆S字のカーブを描き、腰椎(ようつい=腰骨)の部分はおなか側に凸の形状をしています。
これは犬や猫の腰椎が背中側に凸になっているのと比べて決定的な違いであり、直立二足歩行をすることで人間はもともと腰痛をおこしやすい骨格形状になっているのです。
反り腰とは、正常な腰部の前方への弯曲がさらに大きくなった状態をいいます。
ハイヒールを履くことが多い女性や猫背の方、妊婦、肥満型の人に多くみられます。
反り腰の状態になると重心は後方に移動し、腰の筋肉が過緊張するため、腰痛や坐骨神経痛、股関節痛などが生じやすくなります。また、反り腰になると腹筋は伸ばされるので、下腹部が前に押し出されて「ぽっこりお腹」となったり、股関節にかかる重心軸の崩れから、お尻が垂れるなどの外見的な特徴も見られます。
(画像:KIZUカイロプラクティック)
反り腰の自己診断
腰の下の隙間でチェック
反り腰は簡単に自己診断できます。
反り腰かどうかを自分で簡単に調べる方法があります。
硬めの床に仰向けに寝て、腰の下にできる隙間に手を入れてみてください。
通常は掌が1枚入るか入らないか程度ですが、手のひらを入れてみてスカスカの状態ですと反り腰の可能性があります。
同様の自己診断を立ったままですることも可能です。
垂直の壁に足のかかと、お尻、背中、頭と順に付けていき、腰と壁の隙間に手のひらを入れます。隙間が手のひら1枚分以内なら反り腰の心配はありません。逆に手のひら1枚分以上ならあなたの腰は反り腰気味です。
(画像:カイロ整体院クオリア)
反り腰の腰痛発症のメカニズム
背骨にも「椎間関節」という関節があります。上体を前後に曲げたり左右に曲げたりできるのは、背骨のひとつひとつの椎骨が、椎間関節によってゆるく結ばれているからです。腰椎の椎間関節を「腰椎椎間関節」といいます。
腰を反らせる姿勢が長かったり、長時間立っていたり悪い姿勢を続けていると、この腰椎椎間関節で炎症を起こし、腰痛になることがあります。
【椎間関節が炎症 → 腰痛 → 炎症の慢性化 → 関節の癒着 → 動きが悪くなる】
これが反り腰の痛み発症のメカニズムです。腰椎椎間関節症とも呼ばれます。
反り腰の原因
反り腰には、いくつかの原因があります。
■大腰筋の過緊張
大腰筋は、腰の骨の前面から内ももに付着している筋肉で、太ももを持ち上げる働きがあります。この筋肉が常に緊張したままでいると、内ももが支点となって、腰の骨を前に引っ張り続けます。反り腰になりやすくなります。
■ハイヒール・つま先立ち・骨盤前傾など
ハイヒールを履く姿勢は、基本的に重心が前に移動します。前に倒れそうになる姿勢を背筋で引き起こそうとするので、腰が反りやすくなります。
また、体全体を反り返らせるような姿勢も、腰椎で過剰な前弯を作り、反り腰になってしまいます。
■腹筋が弱い、出産・帝王切開などのおなかの手術
腹筋が弱くなると、腹腔内の内臓が前にせり出してしまい、結果的に腰が反ってきます。
30歳代以降の男性に見られる肥満型も、運動不足などにより腹筋や腸腰筋が弱くなり、お腹が前に押し出されて反り腰になっている状態です。
■妊娠による体重増加
妊婦型の反り腰は、妊娠後期にしばしば起こります。お腹の赤ちゃんを腰に乗せるような姿勢になるため、どうしても反り腰になりがちです。
また、このタイプは姿勢の変化が大きいために、腰痛だけに留まらず背中の痛みや首の痛みなども併発します。
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