歯ぎしり(概説)
歯ぎしりの原因は噛み合わせの悪さとストレス
歯ぎしりの原因は噛み合わせの悪さとストレス。
いびきと並んで同室者に迷惑をかける筆頭は「歯ぎしり」。寝ている本人が気づかないところもいびきと似ています。
カリッ・カリッ、キリ・キリ、ギッ・ギッ・ギッ・・・と。とにかくうるさいこと。いろいろな音色(騒音)で、迷惑をかけてくれます。
なぜ寝ている本人が「自分の歯ぎしり」に気が付かないかというと、就寝中は感覚器の伝達経路が遮断されているからです。
そのため、脳のそぐそばの顎(あご)でギリギリと不快な音が発せられていても、脳はその音を感知できません。本人は幸せですが、周りの人は、たまったものではありません。
歯ぎしりの原因は、噛み合わせの悪さとストレスにあります。
人間は睡眠中、無意識に歯と歯を噛み合わせる「ブラキシズム」という習性をもっており、寝ている問に何度も歯を噛みしめています。
このとき、歯の噛み合わせがよい人は音が出ないが、かみ合わせが悪い人は歯と歯が擦れ合ってギリギリと大きな音を立てます。これが歯ぎしりの正体です。
(画像:梅津歯科クリニック)
ストレスと歯ぎしり
歯ぎしりは歯を強く噛みしめるためにおこります
私たちのからだの働きは、自律神経系がコントロールしています。自律神経系は、交感神経と副交感神経のふたつで成り立っていて、たとえば運動するときには交感神経が優位に働いて、心臓の働きを高め、呼吸を速くします。逆に消化機能の働きが抑えられます。
私たちがストレスを感じている状態とは、交感神経が優位の状態をいいます。ストレスが過度になると、交感神経系も過度に緊張しています。
そのため、ストレスが長く続くと、肩こりや腰痛、不眠、食欲不振、便秘などが生じやすくなります。歯ぎしりも例外ではありません。
歯ぎしりは、寝ているあいだに歯を強く噛みしめるためにおこります。交感神経が働いて、無意識のうちに顎に力が入って、歯を噛みしめるのです。
ただ、このブラキシズムという働きは、一方で、歯ぎしりや食いしばりをすることによってストレスを発散させているとも考えられています。
歯ぎしりのパターン
歯ぎしりにも個人の癖があります
歯ぎしりのパターンは、カチカチ鳴らす、食いしばる、すり合わせる、だいたいこの三つに分類されます。
すり合わせ型は、むし歯治療の詰めものが合わずにおきることが多く、食いしばり型はストレスや内向的な性格が原因でおこります。カチカチ型はどちらの理由にも当てはまると分析されています。
ところで、歯ぎしりのときの噛み合わせ力は意外に強く、60~80㎏にもなるのだそうです。
硬い煎餅をかじるときの力が約10㎏ですので、この6~8倍の力が、就寝中に繰り返し、あごや歯に加えられていることになります。これは驚きです。
歯を前後左右にギリギリ擦り合わせる歯ぎしり。歯やあごにかかる負担は相当なものです。
そのため、歯ぎしりをすると、あごに疲労を感じたり、歯がすり減る、グラつくといったさまざまな弊害が生じます。
歯ぎしりを治すには、歯科医や口腔外科、ストレスが原因の場合は心療内科など、専門医に相談するのが一番です。マウスピースを使うスプリント療法や薬物療法でも症状は大幅に改善できます。
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