過眠症とは、睡眠覚醒障害の一つで、睡眠が過剰となるものです。じゅうぶん寝ているにもかかわらず昼間やたらと眠く、会議中でも居眠りすることがあります。居眠り病(ナルコレプシー)は過眠症の一つです。

 

過眠症 居眠り病 睡眠覚醒障害

  

過眠症/居眠り病とはこんな病気

過眠症/居眠り病とは(概説)

充分寝ているのに昼間やたらと眠くなる病気

過眠症。じゅうぶん寝ているのに昼間やたらと眠い。重要な会議中でも寝てしまうことがあります。
過眠症。じゅうぶん寝ているのに昼間やたらと眠い・・・

日中の過剰な眠気を「過眠」と言います。不眠症と違って、夜に充分眠ているにも関わらず過眠が出てくる疾患を「過眠症」と呼びます。過眠症の眠気は、会議中や大事な試験の最中に眠ってしまうほど、耐え難く強い眠気です。
居眠り病(ナルコレプシー)は過眠症の典型的な症状の一つです。

 ◇夜に眠られないため、昼間眠くなるのは「不眠症」
 ◇夜に充分寝ているにもかかわらず、昼間も眠いのが「過眠症」

こんな感じです。

(画像:amanaimages)

過眠症/居眠り病の症状

重要な会議中でも寝てしまいます

過眠症の症状には、昼間の眠けが強くよく居眠りをする、あるいは夜間の睡眠が長いのに朝なかなか起きられない、などの特異的な症状があります。

居眠り病(ナルコレプシー)の場合はその傾向がとくに顕著で、基本的症状として、①日中の強い眠けによる居眠りや睡眠発作、②情動脱力発作が見られます。

睡眠発作とは、重要な会議中や試験中などの緊張すべき場面でも、発作性に数分間から十数分間寝てしまうものです。

一方、情動脱力発作とは、情動をきっかけとして、随意筋(自分の意思で動かせる手足の筋肉など)の脱力が突然生じます。
情動とは怒り・驚き・喜びなどの感情の動きです。
情動脱力発作が起きると、人によっては突然ガクンと頭が垂れ下がったり、あごが落ちる、舌が回らなくなる、膝がガクンと落ちるなどの症状が出ます。はなはだしい場合には姿勢筋の緊張の完令な消失のために転倒し、けがを負う場合もあります。

過眠症/居眠り病の原因と治療

脳の睡眠覚醒障害

居眠り病(ナルコレプシー)の原因は、脳内の睡眠・覚醒機能の低下にあると考えられています。

人間の脳内では、サーカディアンリズムと呼ばれる24時間周期のリズムと、睡眠・覚醒に伴う神経活動(睡眠・覚醒機能)が、神経伝達物質セロトニンの働きによって脳の深部で統合され、24時間周期の睡眠・覚醒リズムが形成されています。
(出典:「睡眠・覚醒機能と24時間リズムをセロトニンが束ねる」理化学研究所 報道発表資料、2012年10月17日)

この機能が低下すると、睡眠と覚醒のコントロールが崩れ、昼夜の区別がつかなくなって昼間でも異常に眠くなります。

精神刺激薬や抗うつ薬による治療

また、居眠り病(ナルコレプシー)の人には睡眠障害があって、特にレム睡眠に異常があるといわれています。
そのため、入眠時幻覚と睡眠麻痺が顕著に見られます。

入眠時幻覚とは、就寝後間もなく、自覚的には目覚めているときに鮮明な現実感のある幻覚を体験することです。

一方、睡眠麻痺というのは俗にいう「金縛り」のことで、睡眠時に一過性の全身脱力症状が生じて、体を動かすことも声を上げて助けを求めることもできない、いわゆる金縛りの状態にあって強い恐怖を体験します。

居眠り病(ナルコレプシー)の眠気の治療には、塩酸メチルフェニデート薬などの精神刺激薬が使用されます。
また、情動性脱力発作や入眠時幻覚および睡眠麻痺などのレム関連症状には、塩酸クロミプラミン薬などの抗うつ薬が有効のようです。

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