長いあいだ二日酔いは、悪酔いと同様に、アセトアルデヒドが原因で起きると考えられてきました。ところが最近の研究では、血中のカテコールアミン値の上昇が、二日酔い症状の要因だと指摘されています。悪酔いと二日酔いの違いについて検証します。

 

アセトアルデヒド カテコールアミン 二日酔い

  

悪酔いと二日酔いの違い
(酒とアルコールが織りなす悪夢)

悪酔いと二日酔い

二日酔いはアセトアルデヒドが原因ではなかった!

二日酔いになるのは日本人だけ? なぜ二日酔いになるのでしょうか。
つらい二日酔い。酒の飲みすぎが原因。

二日酔いとは、お酒を飲んで就寝した翌朝、頭が重い、頭痛がする、胸がむかむかするなどの不快な症状が出ることをいいます。

長いあいだ、二日酔いはアセトアルデヒドが原因で起きると考えられてきました。
アセトアルデヒドはアルコールが分解する過程でできる中間代謝物質で、毒性が強く、頭痛や悪寒、むかつき、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こします。いわゆる「悪酔い」の症状です。

ところが二日酔いは、飲酒から相当時間が経過した翌日の朝、あるいはそれ以降に生じる現象です。血中のアルコール値やアセトアルデヒド値は、ピーク時から比べると大きく低下していると思われることから、アセトアルデヒドが二日酔いの直接の原因ではないと考えられるようになりました。

最近の研究では、血中のカテコールアミン値の上昇が、二日酔い症状の要因である可能性が高いと指摘されています。

(画像:biche)

カテコールアミンとは

アドレナリンなど神経伝達物質

カテコールアミンは、副腎髄質で生成される神経ホルモンです。アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの3種類があり、3つを総称してカテコールアミンと呼びます。
カテコールアミンはストレス反応に重要な役割を果たすほか、神経伝達物質としての機能をもっています。

深酒をしてアセトアルデヒドが体内に長く存在すると、副腎からカテコールアミンが分泌され、交感神経の興奮を引き起こします。
その結果、血圧が高くなったり、過度の発汗、動悸、頭痛などが起こります。これが二日酔いの症状だというのです。

なぜ、お酒をたくさん飲むとカテコールアミンが生成されるのかはよくわかっていませんが、アルコール分解には糖が必要であることとも関連していると考えられています。たとえばアドレナリンは、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンをブドウ糖にかえる性質があります。

飲酒と酔いを考える

酔いの状態と血中アルコール濃度

お酒を飲むとアルコール成分が胃や小腸から吸収されて血管に入り、血流に乗って全身に運ばれます。アルコールは分子量が小さいので、脳の血管にも入り込み脳を麻痺させます。脳が麻痺することで身体に変化が起きた状態が「酔い」です。
酔いの状態は、血中アルコール濃度により違います。

血中アルコール濃度0.005%未満(爽快期)
脳幹網様体の働きが抑えられ、理性を司る大脳新皮質の働きが低下して、本能や情動を司る大脳辺縁系の活動が向上します。

血中アルコール濃度0.10%未満(ほろ酔い期)
大脳新皮質の活動が、さらに低下します。顔が赤くなり、ほろ酔い気分になります。普段よりも饒舌になり、大胆な行動をとります。

血中アルコール濃度0.30%未満(酩酊期)
大脳だけでなく、運動機能を司る小脳も麻痺し始めます。何度も同じことを喋るようになり、立つとふらつき、まともに歩けなくなります。吐き気を感じたり、嘔吐したりします。

血中アルコール濃度0.40%未満(泥酔期)
記憶中枢である海馬まで麻痺が進みます。意識がはっきりせず、ろれつが回らなくなります。記憶がなくなることがあります。

血中アルコール濃度0.50%未満(昏睡期)
ついに生命維持に必要な延髄が麻痺します。揺すっても起きなくなり、失禁し、呼吸が止まることもあります。死に至る危険があります。

悪酔い

体内に入ったアルコールは、肝臓で分解されます。まずアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)が作用して無害な酢酸に分解、最終的には水と二酸化炭素に分解されて体外に排出されます。

アセトアルデヒドは、飲酒2時間後くらいから増加し、顔の紅潮、頻脈、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こします。この状態が、いわゆる「悪酔い」と言われる状態です。

二日酔い

これまで、二日酔いの原因は、悪酔いと同様に血中のアセトアルデヒド値の上昇が直接原因だと考えられてきました。ただし現在ではこの考えは否定されています。

上述したように、最新見解では、二日酔いの原因は血中のカテコールアミン値の上昇にあると考えられています。
大量に取り込まれたアルコールを分解するために、カテコールアミンが分泌されて交感神経の興奮を引き起こします。その結果、発汗・動悸・頭痛などの二日酔い症状が引き起こされるのです。

↓↓ タイトルをタップ/クリック(内容表示)

心とからだの健康相談室 > 人体の機能とはたらき > 悪酔いと二日酔いの違い