糖尿病(概説)
恐ろしい合併症
糖尿病の本当の怖さは心筋梗塞などの合併症
糖尿病(糖尿)は血糖値が高くなる病気です。
尿に糖が出ることから名付けられた病名ですが、これは血液中のブドウ糖(グルコース)が増えすぎて 尿の中に糖が溢れてきた状態です。
実際は血液中のブドウ糖の量(血糖値)をもとに診断します。
はじめのうちは血糖値が多少高くとも自覚症状がほとんどありません。ただし、そのまま放置しておくと糖尿病がどんどん進行してしまう恐れがあります。
糖尿病を治療せずに放っておくと、さまざまな合併症を引き起こします。
神経障害や眼底出血、腎障害、動脈硬化性、高血圧などをはじめ、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中など命にかかわる病気につながります。
糖尿病の本当の怖さは、このような重大な合併症にあるのです。
(画像:ニナタ薬品)
糖尿病の原因
インスリン障害による糖代謝異常
私たちの生命を維持するエネルギー源として重要な役割を担っているのが、糖質などからつくられるブドウ糖(グルコース)です。
ブドウ糖は血液の流れに乗ってからだの細胞に運ばれ、燃焼してエネルギーを作り出します。 ブドウ糖が細胞内に取り込まれるには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要です。
ところが、なんらかの原因でインスリンの分泌量が減少したり、作用が低下すると、細胞にブドウ糖がスムーズに取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がる高血糖の状態になります。このような糖代謝異常が原因で起こる病気が糖尿病です。
糖尿病は原因の違いによっていくつかのタイプに区分されています。
■Ⅰ型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)
小中学生くらいの若い時期に自己免疫不全で起こる糖尿病です。膵臓ランゲルハンス島のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、からだの中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こります。
生命を維持していくにはインスリン注射が不可欠であり、インスリン注射療法を続けないと死んでしまいます。
■Ⅱ型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)
50歳代が発症のピークとなる、いわゆる生活習慣病として起こる糖尿病です。わが国の糖尿病の95%以上はこのタイプです。インスリン分泌が低下する遺伝的素因があるうえに、過食・運動不足・肥満・老化などの環境因子が加わり、インスリンが効きにくい状態となって発症します。
■遺伝子異常やほかの病気が原因となるもの
症例は少ないのですが、遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫異常などが原因となって引き起こされる糖尿病があります。
糖尿病の対策
食事療法と運動療法
糖尿病(とくにⅡ型糖尿病)は、俗称「ぜいたく病」ともよばれます。
肉食中心の脂肪分の多い欧米型の食生活が、運動不足と相まって肥満をまねき、糖尿病を増やしてきました。このまま欧米型の食生活を続けていれば、将来的には糖尿病を発症する人は現在の2~3倍に増加するとの警告もあります。
高血糖がもたらす初期症状としては、「のどが渇く」「異常におなかがすく」などがあります。
のどが渇くと多量の水分をとるようになるので、トイレに行く回数も多くなります。
このような自覚症状がでたら要注意です。なるべく早く検査を受け医師の適切な指導を受けましょう。
糖尿病を予防するには、現在の食生活を見直し、できるだけ体を動かすように心がけて、体重を適正にコントロールすることが基本となります。
肉料理中心のメニューはなるべく減らして、特に魚や野菜、きのこ、海藻などを中心にした栄養バランスのとれた食生活をするように心掛けます。
血糖値を下げるためには日頃の運動も大事です。少し速足で歩くなどの生活を毎日続けるだけでも、糖尿病の発症を防ぐことにつながります。
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