睡眠時随伴症とは睡眠覚醒障害の一つで、睡眠中に突然、金切り声をあげたり、ふらふらと夢遊したり、夢で見たことをそのまま行動に移してしまうといった異常行動をおこします。

 

睡眠時随伴症 睡眠覚醒障害

  

睡眠時随伴症(パラソムニア)

睡眠時随伴症(概説)

睡眠中におきる異常行動

睡眠時随伴症。睡眠中に突然、金切り声をあげたり、ふらふらと夢遊したり、夢で見たことをそのまま行動に移してしまうといった異常行動をおこします。
睡眠時随伴症。睡眠中に突然、異常行動をおこします。

睡眠時随伴症とは、睡眠覚醒障害の一つで、睡眠中に異常行動などの奇妙な(好ましくない)身体現象をともなうものです。突然、金切り声をあげたり、ふらふらと夢遊したり、夢で見たことをそのまま行動に移してしまうといった異常行動をおこします。

睡眠中にも関わらず異常な行動が伴う(=随伴する)ことから、これらの異常行動を総称して「睡眠時随伴症」と呼んでいます。

睡眠時随伴症は、おもに小児期にみられる睡眠時遊行症(夢中遊行、夢遊病)、睡眠時驚愕症(夜驚症)のほか、幼児から成人まで広い年齢層にみられる「悪夢」や、高齢者にみられるレム睡眠行動障害などがあります。

具体的にどのような異常行動が起きるのか? その症状と原因について観てみましょう。

(画像:カラダノート)

睡眠時随伴症の症状

睡眠時随伴症には次のような症状があります。いずれも睡眠中に起きるもので、本人にとっては夢の中の出来事です。目覚めた後、自分が何をやっていたのかを覚えていないことが多くあります。

睡眠時遊行症(夢遊病)

小児期の後期と思春期に最も多くみられます。睡眠中に突然起きあがり、自覚のないまま半ば無意識の状態で歩き回る現象です。歩き回った後は、ふたたび就寝しますが、後でその間の出来事を覚えていません。
夢遊症は睡眠の最も深いノンレム睡眠の段階で起こります。夢遊症の人は夢を見ているわけではなく、発生時の脳の活動状態は、睡眠中のものよりも覚醒時のものに似ています。夢遊症の人は、繰り返し何かをつぶやいていることがあります。また、障害物にぶつかってけがをすることがあります。

睡眠時驚愕症(夜驚症)

睡眠中に恐怖の叫びをあげたり、飛び起きたり、泣いたりする発作です。眼が見開き、心臓の鼓動が速くなります。驚愕(きょうがく)/夜驚(やけい)は、このような驚きや恐怖の体験を表現したものです。
夜驚症は通常、ノンレム睡眠中に起こり、典型的には夜の最初の2~3時間にみられます。夜驚症もまた、覚醒後にその出来事を思い出せません。
夜驚症は小児期に多くみられ、成長するにしたがって発作が起きなくなります。成人の発作には、しばしば精神的な問題が関連しています。

悪夢

睡眠中に恐怖や不安をともなう生々しい夢でうなされ、目覚めるものです。
悪夢はレム睡眠中に起こります。そのため、悪夢の場合は後でその夢の内容を詳しく話すことができます。
悪夢は小児も成人も見ます。ストレスを抱えているとき、熱があるとき、極度に疲れているとき、飲酒したときなどは悪夢を見やすくなります。

レム睡眠行動障害

高齢者に多くみられる睡眠行動障害で、レム睡眠中に大声をあげたり、下品に話したり、ときに殴る・蹴るなどの乱暴な動きをしたりする病気です。これらの行動は通常、夢に反応して起こります。
夜驚症などと異なり、レム睡眠行動障害の人は、覚醒後に発作中に見た夢を鮮明に覚えている場合があります。
レム睡眠行動障害は高齢者に多くみられますが、なかでもパーキンソン病やアルツハイマー病など、脳に変性が起こる病気のある人によくみられます。知らないうちに、一緒に寝ている人にけがをさせたりすることがあります。

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