肥満(概説)
肥満は短命?容姿どころではありません
肥満の陰に恐ろしい病気が・・・
「肥満は万病のもと」とも言われます。
太った人は何かにつけて病気になりやすいので注意が必要です。
生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧、心臓病、高脂血症、脳卒中はもちろんのこと、胆石症や通風、関節炎、不妊症なども、肥満の人ほど多く発症しています。
生命保険会社の調査でも「肥満者は短命」という結果が出ています。
健康生活のために、バランスのとれた食事と適度な運動が大事であることが、改めて分かります。
(画像:CREVIA)
肥満の原因
肥満は飽食がもたらす生活習慣病
肥満とは、体内の脂肪組織が異常に増えた状態です。
生活で消費されるエネルギーよりも、食べ物で体内に入ってくるエネルギーのほうが多くなると、その余った分が脂肪として体内に蓄えられます。
飽食の時代といわれる現代日本。過食と美食は生活習慣になっています。
これに運動不足が加わると、体内のエネルギー収支がプラスになることは避けられません。一種の現代病ともいえましょう。
肥満度の数値表示
BMIによる表示
肥満かどうかを調べる指数としてBM指数(Body Mass Index)があります。
BM指数は、体重と身長のバランスをチェックして体脂肪の状態を調べる指数です。国際的にも広く使われていて、次式で表します。
BM指数(BMI)=体重(Kg)÷身長(m)の2乗
たとえば、身長170cmの場合、体重の違いによってBM指数は次のようになります。
・体重60kgの場合 BM指数=60÷(1.70×1.70)=20.8
・体重70kgの場合 BM指数=70÷(1.70×1.70)=24.2
・体重80kgの場合 BM指数=80÷(1.70×1.70)=27.7
日本肥満学会の基準では、BM指数が25以上である場合を肥満と定義しています。上の例では体重70Kgあたりが肥満かどうかの境目になります。
肥満の境界値は意外と上にあるんですね。
「私は大丈夫!」「余裕でOKよ」と思われる方も多いでしょう。
でも待ってください。
体重は正常でも、実際には体脂肪が多い『かくれ肥満』とよばれる状態の方が最近増えています。
本当の肥満度は体脂肪率で測ります
運動不足が原因で筋肉量が減り、逆に脂肪分(体脂肪)が増えてくると、仮に体重が同じ場合でも、体重の中身つまり脂肪分の割合が違ってきます。
したがって本当に肥満かどうかは、体脂肪率(体重に対する脂肪分の割合)で表すべきです。
日本人の場合、男性は体脂肪率25%以上、女性は30%以上で肥満と判定されます。スポーツ選手のように体重は重くても体脂肪率が低い場合は、肥満とはいいません。
肥満の防止対策
食事と運動が基本
体内に蓄積した余分な脂肪をエネルギーとして消費する必要があります。そのためには、摂取エネルギーを減らし、消費エネルギーを多くしなければなりません。
食事療法と運動療法が基本です。
■食事療法
肥満症の方は一般に食事に対する感覚が乏しい傾向にあります。つまり、真の空腹感や満腹感が自覚できないために、いつも食べているようなことになります。決められたカロリーを守って、規則正しく摂取することが重要です。
ダイエットのために極端に食べる量を少なくしてはいけません。
摂取エネルギーを制限しすぎると、安静時の代謝率が低下します。そのため減量のスピードが鈍ったり、反対に体脂肪が増えたりする『はねかえり現象(反動)』が起こることがあります。
代謝を活発にするために、ビタミン、ミネラルを十分含んだ食品をバランスよくとるよう心がけてください。
■運動療法
肥満者はもともと運動量が少なく、これが肥満の一因にもなっています。過激な運動は禁物ですが、適度な運動はエネルギー代謝を活発にして体脂肪を効率よく燃焼させます。
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