慢性頭痛とは(概説)
頭痛は国民病? 4人に一人が頭痛もち
一口に慢性頭痛といっても、痛み方はさまざま
慢性的に頭痛がおこったり止まったりを繰り返す頭痛を慢性頭痛といいます。
慢性頭痛は、かつては原因不明とされるケースが多く、本人も「自分は頭痛もち」と考えてあきらめていました。ところが最近では、診断技術の進歩によって、原因のわかる慢性頭痛が増えてきました。
原因さえはっきりすれば、薬剤の使用など治療によって頭痛から解放されることも夢ではありません。
おもな慢性頭痛には、筋肉の緊張からおこる「緊張型頭痛」、血管が拡張しておこる「片頭痛」ならびに「群発頭痛」の三つがあります。
また、三叉神経痛をはじめ、頭部や顔面の末梢神経が痛む「頭部神経痛」や「中枢性顔面痛」などでも慢性的な頭痛がおこります。
(画像:逗子銀座通りクリニック)
緊張型頭痛~筋肉の緊張で起きる慢性頭痛
精神的なストレスや不自然な姿勢、疲労などによって、後頸部(うなじ)や肩の筋肉が収縮・緊張しておこる頭痛です。過度な筋肉の緊張から血管が圧迫され、血液の循環が悪くなって起こります。
痛みの多くは鈍痛で、ジーンとした痛みが続くことが多く、頭を鉢巻で締めつけられているような痛みが特徴です。
後頭部を中心に、側頭部や首筋にかけて痛みます。いつとはなしにジワジワと痛くなり、だらだらと痛みが続きます。このような痛みが、午後になると一層強くなります。
緊張型頭痛は慢性頭痛のなかで最も多く、その7~8割を占めます。
男女を通じて、30~50歳代の中高年に比較的多く見られますが、最近はゲーム世代と呼ばれる若い人たちにも少なくありません。
片頭痛~脳の血管が拡張しておきる慢性頭痛
片頭痛は、脳の血管が拡張し、炎症を起こすことによって起こると考えられています。側頭部のこめかみから眼のあたりにかけて、ズッキン、ズッキンと、脈拍にあわせて脈打つように痛みます。
頭の片側が痛むことが多いので片頭痛と呼ばれますが、両側が痛むことも少なくありません。
片頭痛が始まる前には、目の前がちかちかしたり、半身にしびれや脱力感を感じるなどの前駆症状が現れることがあります。また、片頭痛の最中は光や音、臭いなどに過敏となるほか、しばしば吐き気もともないます。
成人の1割弱が片頭痛もちといわれます。とくに女性に多くみられる頭痛です。
片頭痛は、たいていの場合10~20歳代で初めてあらわれ、その後慢性化して、いわゆる「頭痛もち」に移行します。
群発頭痛~脳の血管が拡張しておきる慢性頭痛
頭の片方が痛むところが片頭痛と似ていますが、いったん起こり始めると1~2ヵ月のあいだ、連日のように群発するのが特徴です。群発地震のように、ある期間に集中して頭痛が起こるところから、群発頭痛(または群発性頭痛)と名付けられました。
頭痛の持続時間が1~2時間程度と短いのも特徴です。
頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼びますが、群発期以外の期間は、頭痛はすっかり治まってしまいます。
20~30歳代の男性に多いタイプの頭痛です。
痛みは、目の上やこめかみあたりにあらわれます。まるで「えぐられるような」激しい痛みです。
睡眠中に起こりやすく、明け方の痛みで目をさますことが少なくありません。
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