食欲を増進させる色、抑える色
色と食欲との関係
食欲を増進させる色がある?
「料理は舌だけではなく五感で味わうもの」とは、よく聞く言葉です。
確かに、「血がしたたるような」と表現されるステーキの切断面の色彩や、「ジュージュー」焼く音には食欲がそそられます。それもそのはずです。人間の五感の情報収集力(能力)は、次のよう割合になっています。
①視覚87%、②聴覚7%、③触覚3%、④嗅覚2%、⑤味覚1%
舌で味わう肝心の味覚はわずか1%にすぎません。五感はその大部分を視覚と聴覚が担っているのです。
なかでも視覚による情報収集力は群を抜いています。料理の味は、実際には「視覚」が決めているといっても過言ではありません。
視覚に関する最近の研究から、素材の暖色系の色には食欲増進の効果があり、寒色系の色には食欲抑制の効果があることがわかってきました。食事をおいしくいただいたり、逆にダイエットに活用したりと、何かと応用が利きそうです。
(画像:看護roo!)
赤系統の食材が食欲を増進させる
交感神経に作用して食欲増進
赤や黄色のパプリカが並ぶスーパーの野菜売り場
売上向上につなげる大事な戦略です
人間の食欲は視覚、とりわけ食材の色によって変動します。なかでも赤系の食材は食欲増進に大きな効果があるといわれています。
赤い食材と食欲増進との関係は単純明快です。赤系統の色には交感神経を刺激して、内臓の活動を活発化させる作用があるからです。
アドレナリンが分泌されることで胃腸の働きがよくなり、食べ物がよりおいしく感じられ、「食べたい」という欲求が増幅します。
赤以外でも、オレンジや黄色など暖色系の色には食欲増進効果があります。
食品業界がこの特性を見逃すはずはありません。スーパーの生鮮野菜コーナーではトマトや赤ピーマンなど暖色系野菜の配置に気を配り、レストランのメニューでは、特に肉料理などは実物よりも赤味を強調して印刷しています。いずれも暖色系の食材で消費者の食欲を刺激し、売上向上につなげようとしているのです。
(画像:みんなの農業)
ダイエットは青色で?
食欲を色でコントロール
暖色系食材とは真逆に、青色や緑色などの寒色系食材は副交感神経を刺激して、食欲を抑制する作用があります。サバなどの青魚や、野菜ならナスや紫キャベツ、キュウリなどがこれにあたります。
これらの色は興奮を抑える効果があり、気持ちを落ち着かせる色ともいわれています。
また、色の効果は食材に限らず、料理を盛った食器やテーブルクロス、食事をする部屋の照明やカーテン、壁紙などでも有効です。
ダイエット中の人は青魚や、緑色野菜のサラダを主食にして、かつ寒色系のインテリアをそろえた部屋で生活すれば、成功率が上がることは間違いありません。ぜひともお試しあれ!
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